
世田谷ブライトネットワーク活動報告 〜2025年7月居場所ネットワーク会議、8月ブライトネット運営会議〜
本サイトを運営する世田谷ブライトネットワークは、不登校の子ども同士がつながる「子どもネットワーク」、保護者同士がつながる「親の会ネットワーク」、居場所を運営する大人がつながる「居場所ネットワーク」の3つの柱で活動しています。
そのうちの「居場所ネットワーク」は2025年7月、今年度2回目の居場所ネットワーク会議を行いました。また、翌月には全ネットワークのメンバーが参加の対象となる「ブライトネットワーク運営会議」を開催しました。
この記事では、この2つの会議の模様をレポートします。
〜こちらもあわせてお読みください〜
2025年7月、居場所ネットワーク会議が行われました!
世田谷ブライトネットワークの柱の1つである、世田谷区内で不登校の子どもの過ごす居場所を運営する大人がつながる「居場所ネットワーク」。2025年7月、そのメンバーが一堂に会する「居場所ネットワーク会議」が開催されました。今回の会場は、居場所ネットワークに加盟している学び舎トーカ用賀中町キャンパス(学び舎トーカの情報はこちら)。平日夜の開催だったため、9人の参加者が料理を持ち寄り、テーブルを囲みながら意見を交わしました。
まず、安心安全な居場所づくりのための指針について話し合われました。
子どもの居場所を運営するメンバーたちから、「大人も間違えることがあるからこそ、困った時の相談先を子ども・保護者に共有する、他の居場所や専門機関と連携するなど、二重三重に子どもの安心安全を守る仕組みをつくることが大事」「今年4月に施行された世田谷子どもの権利条約(詳しくはこちら)の内容を反映させた取り組みをしていきたい」との声があがりました。居場所ネットワークとして「子ども・若者が穏やかに安心して過ごせる場となること」「子ども・若者の人権を最大限に尊重すること」「安全と権利を保持するために第三者の力を借りること」の3点を理念として掲げ、それに共感して居場所を運営する人たちのネットワークを広げていこう、という方針を共有しました。また、この理念を「子どもとの『お約束』」という形で各居場所で子どもたちと共有できるように、理念の文言を整理することになりました。
更に、ブライトネットワークとして実施するお祭りのようなイベントに関する共有もなされました。9月14日(日)開催の「ニュースクールフェス」(詳しくはこちら)にて、世田谷ブライトネットワークとしてブースを出展すること、そこで居場所ネットワークに属する居場所やブライトネットワークに関わるみなさまの作品展示や販売ができるようにすることが共有されました。また、他にも居場所ネットワークやブライトネットワークとして参加できそうなイベントの候補が挙げられました。
2025年8月、第3回ブライトネットワーク運営会議が行われました!

「ブライトネットワーク運営会議」は、それぞれのネットワークで活動するメンバーや世田谷区の行政職員なども含め、世田谷ブライトネットワークに関わる方が一堂に会する場です。第3回となる今回は、初参加の方も含む12人が参加し、多様な視点からの意見交換が行われました。

前回の会議で議論された内容の続きとしてまず議題となったのは、ブライトネットワークの共通理念づくりについてです(前回までの様子はこちら)。世田谷区子どもの権利条約やその前文を確認しながら、子ども・若者の意思表明や大人へのメッセージをどのように盛り込むかを検討しました。
「子ども」を何歳までとするか、「若者」という表現を加えるか、さらには保護者へのサポートをどのように位置づけるかなど、多角的な視点で意見が交わされました。 「子どもを縛るのではなく守る内容にしたい」「大人も学び合いながら考えていくことが大切」といった意見もありました。この日に出た意見を踏まえると共に、今日参加していないメンバーにも意見を求めた上で、共通理念の制定へ向かうことになりました。
次に、不登校の子どもとその家族の安心安全を守るための取り組みについて話し合われました。居場所ネットワーク会議で話し合われた「子どもとの『お約束』」や、子どもや若者が安心して相談できる窓口を一覧化したカードの作成が提案され、既存の取り組みとの連携強化の必要性が見えてきました。
「子どもは危険に気づくのに時間がかかることがある」「勉強会や研修の場を通じて、自分の経験に気づけることが大切」といった意見が出され、性教育やアンガーマネジメントなども含めた学びの場づくりが議論されました。また、精神科や心理士との連携、学校に所属していない子どもへの学習支援、地域の専門家やボランティアを活用した「支えるネットワーク」の創設についても活発に意見交換が行われました。
更に、今後予定しているイベントや、ネットワークの活動を通して挙がる意見を行政への政策提言につなげる構想などに関する共有も行われ、場が閉じられました。

2つの会議を通じて、子ども・若者・保護者、そして地域や学校をどうつなぎ、支えていくかについて、多様な視点からの議論が深まりました。世田谷ブライトネットワークはこれからも、子どもの権利・尊厳を守るために、学び合いながら歩みを進めてまいります。今後もこのページのコラムにて活動の様子をお伝えしていきますので、ぜひご覧ください!