「寺子屋いづみ 世田谷教室」訪問レポート
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「寺子屋いづみ 世田谷教室」訪問レポート

 2025年12月、世田谷区深沢にある「一般社団法人寺子屋いづみ 世田谷教室」に伺い、代表の岩岡いづみさんのお話を伺いました。この記事ではその様子をレポートします。

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★「一般社団法人寺子屋いづみ」の情報はこちら

寺子屋いづみの取り組み(「寺子屋通信」より)

 一般社団法人寺子屋いづみは、1983年から世田谷で「学習塾寺子屋」を運営されてきた岩岡いづみさんが代表を務める法人です。深沢地区に世田谷教室を構え、夕方の時間帯には「学習塾寺子屋」や子ども食堂、昼間には「フリースクールまる」を開くほか、様々な形で地域の子ども・若者の学びや成長を支える活動を行っています。例えば、次のような取り組みがあります。

  • 学習塾寺子屋

受験勉強、学校の授業の予習・復習など様々な目的を持った子どもたちが、個別のカリキュラムで学びます。

  • フリースクールまる

2020年に世田谷教室で開設された不登校の子を対象とした居場所です。現在は小4から中3までの7人が在籍していますが、高校生が通っていた時もあり、年齢で卒業の時期が決まっているわけではないそうです。

  • 野外農業教室ハナレ

年に数回、長野県佐久穂町にある農場に宿泊して農業のお手伝いをするキャンプが行われます。寺子屋いづみの取り組みに関わる様々な人が参加します。

  • みんなのCASA

毎週土曜日に開く居場所で、ボランティアを中心に運営されています。地域とのつながりを生かし、様々なイベントを行っています。

  • 結びカフェ

「学生が運営×障がいのある方が働く=真心込めたぬくもりを届ける”おにぎりカフェ”」で、隔月土曜日に開かれています。

 世田谷教室は、バス停「深沢不動前」から徒歩数分、駒沢公園通り沿いの建物の2階にあります。取材に伺った日には、入口へつながる階段の前のスペースで野菜が販売されていました。この野菜は、「野外農業教室ハナレ」で行く長野県佐久穂町の農場で採れたものなのだそうです。

 取材に伺ったのは「フリースクールまる」の開室時間中。この日は、お子さん2人と、代表の岩岡いづみさんを含む大人のスタッフさん3人が1部屋の中で過ごしていました。テーブルの上のコンロに乗ったフライパンの上には、この日みなさんでつくったという野菜チップスが並んでいました。

 この日来室していた2人は、スマホを見つつ互いにおはなししながら過ごしていました。また、取材日の数日後には寺子屋いづみとして「アート展」を開催する予定とのことで、そこで展示する作品を持参しに訪れたフリースクールまるの在籍者ではない若者もいました。

 農場で採れたハーブを使ったお茶をいただきながら、岩岡いづみさんにお話を伺いました。

── まず、寺子屋いづみ立ち上げの経緯を教えてください。

 20代の頃から、多様な背景を持つ子たちを集めて行われていた活動やそのメンバーたちによる勉強会にボランティアとして参加していました。その大切な活動をつないでいくために、「学習塾寺子屋」を運営し、一般社団法人寺子屋いづみを立ち上げました。

── フリースクールまるに通う子たちは、普段どんなふうに過ごしていますか?

 本当に様々な過ごし方をしていますね。勉強する子もいれば、部屋の中のキッチンでスタッフと一緒にお昼ご飯をつくる子もいます。これまでに流しそうめんをやったり、五平餅をつくったりしたこともあります。

 通い始めたばかりの頃にはスマホをずっと見ている子もいます。そういう時は、少しでも他の子やスタッフと交流しようと声をかけることもあります。でも、対面では一言も話している様子の無い子同士がネットでつながって会話していることもあったんです。大人には見えない世界もあるんだなと改めて思いました。

── フリースクールまるに通う子が、寺子屋いづみの他の取り組みに参加することもあるそうですね。

 はい、参加している子もいます。

 先日みんなのCASAの活動の一環として行った「みんCASAまつり」では、オリジナルキーホルダーを販売している子がいました。その準備として、儲けを得るための方法を学ぶために複数回にわたるマネーリテラシー講座を開き、外部講師をお呼びしていました。その子はそこで学んだことを生かしてキーホルダーの価格を自分で決め、「みんCASAまつり」で全ての商品を売り切ることができたんです。実際に得た利益は少なかったですが、本人が「そこに込められた気持ちが利益だった」という感想を言葉にしてくれました。

 また、今度開催するアート展に向けて「何月何日までに何種類の絵を描くから、今日はこの絵をここまで描く」などと自分で計画を立てて準備してきた子もいます。

 他の場に来ている多様な人たちと交流する機会にもなるので、最初はびっくりする子も多いようですが、だんだんとその環境の中での身の置き方が分かってくる様子があります。社会との接点を持つ大切な機会になっていると感じています。

── 最後に、今後の展望についてお聞かせください。

 何より、地域に残る活動にしていきたいと思っています。もう既にフリースクールや寺子屋の卒業生が活動を手伝ってくれたり、近隣の大学の学生がゼミの活動の一環として関わってくれたりしていますが、更に若い力によって動いていく取り組みを増やしたいと考えています。

 私自身が20代の頃から関わっていた活動を継続・発展させる形で寺子屋いづみを立ち上げたので、これからもずっとこの地域で活動が続いてほしいと感じています。

 寺子屋いづみ世田谷教室へ足を運び、「フリースクールまる」の子どもたちに着目しながらここでの取り組みについて伺う中で、地域の多様な人との交流や幅広い体験の機会を通じて1人1人が自分ならではの学びを得ていく場がここにあると感じました。岩岡いづみさんは保護者の方からのご相談に無料で対応されています。詳しくは寺子屋いづみホームページ(こちら)をご確認ください。

 世田谷ブライトネットワークでは、これからも子どもたちが過ごす世田谷区内の居場所の日常をレポートしていきます!ぜひ今後もコラムページをご覧いただき、「行ってみたい」「もっと様子を知りたい」と感じた場所があれば、ご自身のタイミングで足を運んでみてください!

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