
「からちゅんカフェ」レポート
2025年4月25日(金)、南烏山区民集会所にて行われていた、不登校生徒の保護者懇談会「からちゅんカフェ」を訪問しました。この記事では、この日のからちゅんカフェの様子と、からちゅんカフェを立ち上げられた島田さん、安井さんのお話の内容をご紹介します。
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からちゅんカフェは、世田谷区内の烏山地域で活動を続けている、不登校等の状態にある子どもの保護者のみなさんの会です。月に1回烏山地域の区民施設で保護者懇談会を行なっており、今回はそこに伺いました。
この日の会場は、京王線の芦花公園駅から徒歩約5分の場所にある南烏山区民集会所。建物の2階に上がると、からちゅんカフェオリジナルのロゴマークが描かれた看板に出迎えられました。
靴を脱いで室内に入ると、部屋の中央にあるテーブルを囲んで、保護者同士でのお話が弾んでいました。部屋の端にはお菓子と飲み物が置かれたテーブルがあり、ご参加のみなさまはそれを食べたり飲んだりしながら和やかな雰囲気でお話ししていました。
常連の方も多くいましたが、この日は途中から来室された初参加の方がいました。その方は、来室後すぐに島田さん、安井さんや常連の方々から声をかけられ、お話の輪に入っていきました。
この日は14時から18時まで開室しており、その時間内での入退室は自由でした。途中で来る方も退室される方も複数名いて、島田さんと安井さんを含めて常時4〜8名程度の方がいました。
保護者の方のお話の内容は事前に決まっているわけではなく、回によって様々なのだそうです。司会の役割の方がいるわけではなく、話したいことのある方がお話を始めると、他の方全員がそれを聴いて応答する形で懇談が進んでいました。小学生のお子さんのお母さんが、同じ学校に通っていた中学生のお子さんのお母さんに、その学校での学習や先生との関わり方について相談している場面もありました。
みなさまのお話を伺っていて特に印象的だったことは、お話を聴いている方々が、ただ相談に対する答えを出すのではなく、答えは出なくても一緒に考えたり、親として感じる苦しさや葛藤に共感し合ったりしていたことです。それぞれの方の置かれている状況や思いを共感しながら受け止め合う雰囲気があるからこそ、参加者のみなさまは安心してお話しできるのだろうと感じました。
からちゅんカフェを立ち上げられた島田さん、安井さんにお話を伺いました。
ーーからちゅんカフェが立ち上げられた経緯をお聞かせいただけますか?
安井さん)
私たちは、子どもが通う学校でのPTA活動の中で出会いました。当時、その学校に在籍していた私の息子が不登校だったのですが、島田さんのお子さんも不登校だと聞いて、同じ学校・同じ学年に他にも不登校の子がいることを初めて知りました。島田さんと不登校の子を持つ親としての経験を話していて、「こんなにも分かり合えるんだ!」ととても驚いたんです。それまでどこにも吐き出せなかった思いを吐き出せて、自分の気持ちが軽くなったことを感じていました。繰り返し「あるある」を話すうちに、「こういう機会って大事だよね」という話になりました。初めは団体を立ち上げるつもりはなくて、学校に「保護者会があるんだから、不登校の子の保護者会も開いてください」とお願いしたのですが、実現しなくて。学校の中で私たちが開催することも難しかったので、学校外で団体を立ち上げることにしました。
学校外で運営したからこそ繋がりを広げていくことができたと感じているので、そこはよかったなと思っています。烏山地域には不登校を取り扱う団体や親たちが思いを吐き出せる場が無かったので、より多くの人にそういう場を届けたいと感じていました。
ーーからちゅんカフェを続けてきてよかったと思われるのはどんなことですか?
島田さん)
他の団体とのつながりができたことです。世田谷区の親たちの勢いがすごくて、同時多発的に様々な活動が生まれています。そこに様々な特技を持った親たちが集まるので、子どもの多様な興味関心に対するサポートがしやすくなったと感じています。
例えば昨年には、からちゅんカフェのみなさんの子どもたちが出品できるアート展(※)を実施しました。
※2024年に行われたアート展の詳細はこちら
ーー今日は隣の部屋で「からちゅん子どものつどい」も行われていますね。からちゅんカフェさんは子どものつどいの共催もなさっていますが、どのような思いで始められたのですか?
島田さん)
「私たち親の居場所はできたけれど、学校に行かない子どもの居場所がないな」と感じていました。からちゅんカフェに来る親御さんの中には「子どもを置いて自分だけ行くわけにはいかない」と思われる方もいらっしゃるんです。小学生のお子さんがいらっしゃる場合は尚更だと思います。また、2023年にからちゅんカフェのみなさんに取ったアンケートから、「家の近所でないと、うちの子が家庭外の場所に通うことは難しいと思う」と考えている保護者の方が多いと分かっていました。
そこで、子どもの居場所を運営しているNPO法人Learning for Allの代表に、烏山地域で不登校の子どものための居場所を運営してほしいとお願いして、2023年の終わりに「からちゅん子どものつどい」がプレ開催されました。その時は10名以上の子どもが来ていて、「あの子、こんなに笑顔になるの?!」と思うくらい楽しそうな子がたくさんいたんです。そのため「定期的に開催しよう!」ということになりました。
ーーこのレポートを読まれた方へ、メッセージをお願いします!
安井さん)
からちゅんカフェは定期的に開いていますので、今なら行けると思った時に、気軽に来てください!
今回は「からちゅんカフェ」を訪問しました。これからも「からちゅんカフェ」をはじめ保護者の方同士がお話できる場やイベントのお知らせをしてまいりますので、ぜひご覧いただき、ご自身のタイミングで足を運んでみてください!