「不登校当事者による多様な進路交流会」レポート① 〜会場レポート〜
#イベントレポート

「不登校当事者による多様な進路交流会」レポート① 〜会場レポート〜

2024年11月4日(祝)に三軒茶屋しゃれなあどホール オリオンにて行われた「不登校当事者による多様な進路交流会」に参加してきました!今回は、そのイベントの様子をレポートしたいと思います。

不登校の保護者の会である「こぐまの会」が主催している本イベントは、「不登校の進路について経験者のリアルな情報交換をできれば」という思いから、2017年から始まり、今回で8回目の開催とのことです。当初は、当事者だけでこじんまりと開催していたそうですが、昨年から世田谷区生活福祉課と共催し、行政や学校関係などにも広く周知できるようになったそうです。
本記事の上部にも掲載している、今回のイベントのチラシには、カワセミの絵が掲載されています。はじめに見た時に写真だと思ったこの絵は、不登校当事者による作品だそうです。素晴らしい才能ですね!

開始時刻が迫ると、会場には続々と参加者の方々が集まり、開始時刻にはほぼ空席のない、超満員。追加の席を用意する状況になっていました。会場での参加者は総勢142名!非常に多くの方が関心を寄せていることがわかります。区長や行政職員の方にも多くご参加いただきました。

 

本イベントは、都立学校の先生をお招きし、都立高校の状況等についてお話しいただく第1部、子ども、保護者の経験談をお話しいただく第2部、参加者で気になるテーマに分かれてグループトークをする第3部、という3部構成でした。

 

まずは第1部、「都立高校での取り組みと、先生たちから見た不登校」というタイトルで、お2人の先生にご登壇、お話いただきました。

都立の特別支援学校で教諭である瓦田先生からは、エンカレッジスクールやチャレンジスクール、昼夜間定時制高校、夜間定時制高校、通信制高校など、多様な都立高校の種類やその特色、それぞれの入試方法などをご説明いただきました。また、都立高校での発達障害教育についてもご紹介いただきました。あわせて、実際に瓦田先生が今までに出会ってきた子どもたちのお話も聞くことができました。

※瓦田先生の資料

 

都立世田谷泉高校の校長先生である沖山先生からは、チャレンジスクールである世田谷泉高校での、様々な取り組みについてのご紹介をいただきました。「『不登校』の概念すら無くなる学校と社会の実現へ」という熱い思いのもと、すでに行っている校内の別室指導(校内フリースクール)や授業のUD化、ICT機器の活用などの紹介、そして動き始めている遠隔授業や通信授業を単位認定する仕組みについてのお話がありました。

※沖山先生の資料

 

その後のお2人によるクロストークでは、学びの保障ができる学校のあり方についてのお話がありました。学校という場でしか学べない=登校が前提なのではなく、通信やオンラインなどを活用した学校以外の場での学びを当たり前に単位認定するような柔軟な対応を求める話がある一方、それらが仕組みになっていない背景や難しさなどについてのお話がありました。ただ一方で、瓦田先生からは、中学卒業後だけでなく、卒業から時が経ってからでも、いつでも受け入れられる場所が都立高校でありたい、という熱い想いを聞くことができました。沖山先生からは、遠隔授業や通信教育が柔軟に単位認定される(36単位まで)仕組みを今後広げていくことへの強い想いと、それに期待して学校へ声を上げていってほしい、それが学校を変える力になると思う、という熱いメッセージをいただきました。

参加者の方々は皆さん真剣に、時に大きくうなづきながらお話に聞き入っていました。

 

休憩を挟み、第2部では子ども7名、保護者7名の経験談を聞かせていただきました。

子どもたちからは、それぞれが不登校になった経緯やそこで何を考え、どんな生活をしていたのかを中心にお話をいただきました。また、保護者の方の関わりで嬉しかったこと、逆に苦しかったことなどについてもお話がありました。

実際の内容は子ども、保護者それぞれ、以下にまとめています。

★子どもの経験談
・子どもたちの経験談 vol.1の記事はこちら
・子どもたちの経験談 vol.2の記事はこちら

★保護者の経験談(進路交流会のレポート④⑤)(公開をお待ちください)

 

みなさんが心のこもったお話をされていて、聞いている私も様々な感情が溢れてきました。力強く経験を語るみなさんの言葉に心打たれる方も多かったのではないでしょうか。

勇気やヒントがもらえるかもしれません。ぜひ、読んでみてください!

 

第2部の最後には、本イベントの後援をいただいている教育委員会教育相談課、共催である保健福祉政策部生活福祉課、我々ブライトネットワークから、それぞれの支援情報等の共有、そして保坂区長からのご挨拶もいただきました。

 

本イベントの最後には、第3部として会場に参加の皆さんが複数のテーマから気になるものを選び、同じテーマを選んだみなさんで車座になり、色々な意見交換をしました。テーマは「高校進学」「居場所」「発達障害」「ゲーム」「起立性調節障害」「私立学校」など、多岐にわたりました。経験談話者として登壇した子どもや保護者の方もそれぞれのグループに入り、どのチームも時間が足りないほど、話が尽きない様子でした。少し先に経験をした人との交流、そして同じような悩みを抱えている人同士の交流は、参加したみなさんにとって少しでも勇気をもらえたり、自分に対して少しでも優しくしようと思えたりする時間になっていたように思います。

 

内容のレポートはここまでです。いかがだったでしょうか。

ちなみに、今回は会場とzoomによるオンライン配信のハイブリットで実施でした。(オンラインには常時40名程度の参加がありました)

不登校に悩む方の中には、家から出ることにまだ難しさを感じているような子どもやその保護者の方もいらっしゃいます。そんなみなさんも参加しやすい形式での運営でした。また、会場の別の部屋には、「大人数の会場でちょっとしんどいな」と思った時に、ゆっくりお菓子や飲み物をつまみながら、オンラインで会場が見られる、という休憩室も準備されていました。配慮が行き届いていて、素晴らしいと感じました。

休憩室には様々な相談機関や居場所、イベントなどのたくさんの支援情報、そのチラシなどを準備されていて、多くの資源や支援、応援しようとしていらっしゃる方が非常に多いのも印象的でした。

 

主催のこぐまの会のイベントも、本HPのイベントページでご紹介しています。ぜひ参加してみてください〜!

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